解析力学と微分形式 (現代数学への入門)



解析力学と微分形式 (現代数学への入門)
解析力学と微分形式 (現代数学への入門)

商品カテゴリ:物理学,化学,数学,地学,科学,学習,知識
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高みを目指すドライブ(安全運転とは限らない)

解析力学を母体として産まれた幾何学の分野への入門書と言うべきでしょうか。
その幾何学の高みを垣間見ることができる地点まで著者が連れて行ってくれます。
記述のテンポが良いので、車で連れて行ってもらっているという感じです。

ただし、好奇心旺盛なドライバーが脇見運転をしたのか、ミスと思われる箇所も見受けられます。
1.2節の「最初の計算例」では、不定積分の中身は逆数を取らねばならないはずです。
3.1節で、正準変換の生成関数が満たす微分方程式でマイナス符号が落ちています。
3.2節のネーターの定理は定式化がまずいでしょう。条件(i)、(ii)は自明に成立してしまいます。
もちろん全体的には素晴らしい本ですが、星4個にしました。
絶妙の一冊

私にとっては現在の専門を選ぶ決定的な動機になった一冊である。

一般的に数学者は物理学が苦手である。数学者は物事を抽象化して捉えようとし、論理的厳密性にこだわるため、実際の現象を重視する物理学者とは視点が全く反対であるからである。

反面、物理学を理解できないことは数学者にとって致命的でもある。数学の多くの分野のアイデアは物理学に源を持つため、話の出所を知らないでは発想が大きく制約を受けるからである。

その点、この本は数学者にとっては福音と言える。無論、同種の本は以前からあった。アーノルド「古典力学の数学的方法」はこの分野の決定的名著、必読書である。しかしこの本は幾何学の分野への予備知識の要求が大きく、初学者向けではなかった。

この本はまさにその間隙を埋める一冊である。現役の世界屈指の数学者が自らの分野に読者を誘う一冊。それだけでも読む価値はある。まして、この本ほど説明がわかりやすく、イメージが拡がる本は極めて稀である。

なお、この本に興味を持った読者は、志賀浩二「ベクトル解析 30 講」、松本幸夫「多様体の基礎」、アーノルド「常微分方程式」などを併せて読むことを勧めたい。さらに興味がとどまるところなく、果てしなく拡がるだろう。

ともあれ、考えるだけで胸が高鳴る神秘の世界を見せてくれる類稀な本であるといえよう。幾何学や数理物理学への最高の入門書の一つに挙げたい。



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